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『じゅうぶん豊かで、貧しい社会』足るを知るについて考える、おすすめ本

beach-1867271_640家計・学び・雑記
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嫁ねこにすすめられて、『じゅうぶん豊かで、貧しい社会』という本を読みました。

副題が”理念なき資本主義社会の末路”と

個人からは遠く離れた

社会構造の話のように感じますが、

個人の生き方にも通じる考えさせられる本だったので

自分なりの感想を備忘録かねて、まとめます。

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本書の主張 足るを知り、基本的価値を求めよ

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本書の主張を私なりにまとめると

人間の欲望に限りはないが、資源は有限なので、

経済成長を目標とし続けるには限界がある

だから、

経済成長以外の基本的な価値を定義して目標としよう

です。

社会構造の観点から語られているので、政治の話になっていますが、

社会を構成するのは、個人です。

個人レベルにこの主張を私なりに置換すると

”それは本当に自分が欲しいモノか?それの為に残業して働く価値は本当にあるのか?

自分が大切にする基本的な価値を定

義して、良い暮らし、よい人生のため

じゅうぶん満足な生活を手に入れよう”

です。

これだけ書くと、田舎での自給自足のような話を思い浮かべちゃいますが

著者の主張は違うので、順番に書いていきます。

お金に対するひとの価値観の歴史 資本主義の成り立ち 

お金画像

作者のロバート・スキデルスキーさんは政治経済学と歴史

エドワード・スキデルスキーさんは政治と哲学の専門家で

この本の内容の根拠にも、経済の歴史と哲学の観点から語られることが多いです。

お金を追求しても人は満たせれないことは、歴史や文化でずっと示されてきた

お金

まずは、お金に対する人間の文化的価値観の歴史から

過剰にお金を追求する事について

世界中の共通認識について語られます。

どんな共通認識かは想像つくと思いますが、

キリスト教だけでなく世界の宗教や

歴史に残る文化や法律などで

過剰にお金を追求する事は強欲、嫉妬、などの悪癖を助長しよい暮らしにつながらない

という共通認識があったことが

世界中の事例から示されます。

まぁ、日本昔話の欲張り爺さんや、時代劇の越後屋などが想像はしやすいですが

世界中、歴史的に過剰な利益追求は

個人の良い暮らしにつながらない

という経験則があったわけです。

でも、現代はそうでもない、

むしろ効率的にどこまでも

利益を追求することが

もてはやされる。

なぜなのか?

それが、資本主義が広がってからの

ごく最近のことなんだと

著者は主張します。

資本主義の採用は、皆がじゅうぶんに豊かになるまでの暫定的な道具のはずだった。

nekutai

資本主義により、なぜ利益追求がもてはやせれるのか?

それは、資本主義が途中まで成功したからです。

途中まで成功したとは、資本主義の採用した経緯から語られます。

そもそも、経験則的には過剰なお金の追求は悪徳で

強欲や嫉妬の増幅につながる認識があるのに

なぜ、利益追求の資本主義を

社会は、採用したのか?

それは、少しでも病気や餓死などの不幸を減らすため

資本主義は良くない部分もあるが

少しでもこういった不幸を減らすために

暫定的に採用された、というのが著者の主張です。

この目的だけは成功し、

昔より今の方が病気や餓死などの不幸が減っていることは間違いありません。

では、資本主義の良くない部分への対処法は

どう考えていたのか?

本書では、ケインズ世代の経済学者は

以下のように考えていたと書かれています。

人間は効率的に欲望を満たせるようになれば、

労働を減らして生活をより楽しむようになるだろう

じゅうぶん豊かで、貧しい社会 より

つまり、ある程度に所得が上がれば富裕層は満足して

労働時間を減らし

その分、他の人が働く事ができ、

所得が分配されると考えたわけです。

そして、皆が生活を楽しむはずだと。

予測が外れ成功しなかった点は、

所得の水準があがっても、欲望はいつまでも満たされず

労働時間は予想通り減らなかったと言う点です。

ではなせ、欲望が満たされず、働く時間が減らないのか?

その理由を、私なりに解釈&要約すると

  1. 資本主義は、人間の欲望を原動力に成長する
  2. 人間の欲望が満たされては、成長が鈍化する
  3. ゆえに、人間の欲望を常に刺激しなければならない
  4. 刺激された欲望の為に、満たされず人間はもっと働く

資本主義という豊かになる道具だったはずのものを

資本主義のために働かさされている訳です。

上記の社会になってしまっている為、

利益追求がもてはやされる価値観になる訳です。

それでも資本主義の良い面は否定しない ”我慢しての停滞や昔の生活に戻れ”は間違っている

牛農業

こうみてくると

成長をやめて、自然に帰ろう的な発想になりがちですが、

本書は違います。

なぜなら経済成長により

確かに多くの問題は解決した事実があり

今後も、

経済成長による問題解決が出来る可能性は

誰にも否定できないからです。

自然保護や人権問題などの

複雑な問題を経済成長による

技術イノベーションが解決しないとは

誰も言えないんです。

だから、資本主義の良い面は使っていこう、

悪い面に対策して行こうというのが

この本の主張に対する私の理解です。

資本主義社会に新たな目的を、でも幸福とは違う

happy

資本主義という道具の良い面を維持しながら

悪い面に対策して使うためにはどうすればよいか?

その仮説として

本書では

単なる成長以外の別の目標があれば

良いと考えます。

意味もなく、利益のみをただ追い求めるではなく

その利益を求める意味と適正な量を

判断する目標(基準)を持てれば

資本主義を上手く使っていけるのではないか

ここまで読んで、

その新たな目標として

まず思い浮かぶのが

個人の幸福だと思います。

でも、著者の主張は違うんです。

なぜなら

幸福なんて測れないじゃーん

と数々の事例から説得されます。

確かに、、、

そもそも幸福の定義が個人、文化によって違いますからね。

アンケートだってその場の気分ですし、

少し怖い話ですが

主観的な幸福のみを目標として求め続けると

究極的には、薬や機械により

作られた幸せを目的とすることも考えられると、

本書にはあります。

では、何を目標とするのか

それが、良い暮らし、良い人生です。

よい暮らし、よい人生の前提条件、基本的な価値とは何か 

grass

目標としての、

良い暮らし、良い人生

とは何か?

それこそ、個人や文化によって異なるのではないか?

というと、その通りになってしまうので

良い暮らし、良い人生

を実現するための前提条件として

以下の7つの目標とすべき基本的な価値を上げています。

  • 健康
  • 安定
  • 尊敬
  • 人格
  • 自然との調和
  • 友情
  • 余暇

これらは、

樺沢紫苑さんの”精神科医が見つけた 3つの幸福 最新科学から最高の人生をつくる方法

橘玲さんの”幸福の「資本」論

に通ずる、セロトニン、オキシトシン、ドーパミンの優先順位に通じる

考えかなーとは思うのですが、

ボヤッとしてると言えば

ボヤッとしてる気がします。※詳細や著者の思いは本書でご確認ください。

ただ、著者の意図はさらにここから

個人が考えて、社会で議論する

ことが必要との考えなのです。

この7つの価値をベースに

文化、社会が基本的と考える価値を選び

または、重要性の比重を選択し、

その達成を目標とすることが

資本主義の悪い面への対応策だと。

異論は多分、沢山あると思いますし

机上の空論なのかもしれません。

ですが、資本主義の

経済成長すれば〜

トリクルダウンで〜

そのうち上手くいくから~

などのまやかしで誤魔化せなくなっているのは

これまでの歴史が証明してますし

共産主義はもっと机上の空論だとすると

試してみる価値がある

実現可能な考えなのかもしれないと

私も考えます。

※ちなみに、本書にはちゃんと具体的な政策なども記載されていますので、ぜひご覧下さい。

個人の生活への活かし方

ファミリー

本書は社会制度への提案ですが

個人にとっての

良い暮らし、良い人生

を歩むためにも大事なことを教えてくれています。

やることは、社会と同じです。

自分の大切にする基本的価値について考えて

基本的価値を大切にする行動をする

本当に欲しいモノなのか?

何のために働いているのか?

誰との関係を大切にするのか?

社会や周囲からの欲望に惑わされないようにする。

勉強になりました、

まずは、リベ大でもおすすめの価値観マップ作ってみます。

【自由な人生】への第一歩は「人生の羅針盤」を作ること!価値観マップの作り方
「投資」や「稼ぐ」ことを考える以前の準備段階として「人生の羅針盤(価値観マップ)をつくる」ことを大切にしています。何ごとも自分がどんな価値観をもっているか・何に幸せを感じるか・どんな人生を歩みたいかによって「何をどうすべきか」という答えは変わるからです。今回はそんな価値観マップの作り方について解説します。

では、では

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